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お産体験記 2006年9月掲載
 

葉なでしこ100人目ベイビーを産んだ私たちのお産体験記

赤ちゃんの名前  凪(なぐ)
お父さんの名前 大輔
お母さんの名前  千恵
予定日  2004年10月20日
生まれた日  2004年10月17日
出生体重 2760グラム

  私たち夫婦は結婚二年目を迎えた2003年の夏、主人の留学のためシアトルへやってきました。そろそろ子供がほしいと思ってはいたものの、まさか本当にアメリカで妊娠、出産を経験できるとは思っていませんでした。

 本当でしたら出産後すぐに体験記を書くべきだったのですが、結局帰国してから書いてしまっています。祥子先生、ごめんなさい。

 でも、私が経験したこのお産は忘れられるわけがなく、今でも布団に入った時などによく思い出します。本当に本当に幸せな経験でした!

この体験記がどなたかの役に立ちますように。

〜妊娠〜 

2004年の冬、学校の友達にパーティに誘われていたある金曜日の朝、「念のために…」と妊娠検査薬を使ってみると妊娠が判明!あまり期待していなかったこともあり主人と大喜び。

〜妊娠初期〜 

もともと心配性な私。茶色いおりものがちょくちょくあったこともあり、トイレに入るたびに出血してはいないかと緊張。不安なことはしつこつ祥子先生に相談。

 夕方になるとつわりがひどくなり、体重も1kgほど減。

〜妊娠中期〜

 つわりは治まったものの体重が増えない。血圧も高めで、妊娠糖尿病の一回目の検査にもひっかかる。妊娠糖尿病と中毒症に気をつけつつ体重を増やすため、祥子先生の勧めで栄養士さんの指導を受けることに。それにしても、食べることがつらいなんて初めて。

〜妊娠後期〜

 体重の増え方は相変わらず緩やかなものの、順調な妊婦生活。安定期に入ってからは祥子先生の「いいんじゃない?行ってくれば〜」の言葉に調子に乗り、グランドキャニオン、バンフ、イエローストーン、ビクトリアへ旅行三昧。

 そしてこの頃、出産準備教室のメンバーで話題だったのが、誰が記念すべき「なでしこ100人目ベイビー」を産むか。予定日通りだと我が家は96人目くらいとのこと。欲は禁物、と狙いたい気持ちをグッと我慢。

 そして、運命の日を迎える!!

1016日(土)

  この日は主人とフットボールの試合を見にハスキースタジアムに行く予定。でも、さすがに予定日の4日前だったので見送ることに。すると、昼過ぎからどうもおなかが痛い。そういえば、陣痛の始まりは生理痛に似てるって聞いたことがある…。これってひょっとして…!?イベントものが大好きな私、落ち着いていられるわけがなく、早くも大興奮。主人が食べやすいものをとうどんとおにぎりを作ってくれたが胸が、高鳴るのと鈍痛が気になるのとで食事がのどを通らない。とりあえず体力温存!ということで22時ごろ就寝。

1017日(日)

 午前3時頃、確かな陣痛で目を覚ます。何度も寝ようとするが腰痛といきみたいような感覚で眠れない。主人にも起きてもらい腰をさすってもらう。陣痛の間隔はまだ15分くらいと開いている。

 午前8時頃。陣痛の間隔は10分前後。祥子先生に陣痛が始まったこと、出血があったことを報告。先生からは出血はおしるしで、陣痛が3分から5分間隔になったら電話をするようにと指示を受ける。

 昼前。陣痛の間隔は5分を切ったり切らなかったり。陣痛と興奮とでお昼ご飯も飲み物ものどを通らない。居ても立ってもいられず主人に祥子先生に電話をしてもらうが、もう少し陣痛の間隔が短くなったら病院に来るようにとのこと。我慢!

 午後12時頃。陣痛の間隔は相変わらず。でも、もう我慢できない!主人に「お前が電話したほうが伝わるだろうから」と言われ、祥子先生に直訴。「先生、間隔は短くならないけど、腰とお腹が痛くていきみたい感じがあるんです!!」わたしにとっては人生の一大事でいっぱいいっぱいなのに祥子先生は「そう。じゃあ、私、今病院にいるからいらっしゃいよ〜。」といたっていつものペース。でも何だか安心する。そして私は、ようやく出た「病院おいで」の指示だったのに、どうしてもシャワーを浴びたくてつら〜い陣痛の中なぜかシャワーを浴び、到着の遅い私たちを心配する先生から電話をもらう…。

 午後1時過ぎ、病院に到着。ロビーで先生に会うと「千恵さん、あなた100人目よ〜」との声。「やった!」と思うや否やまた陣痛の波が。立ち止まりながらLDRへ。

 ガウンに着替え、陣痛に耐えながら一通りのチェックを受ける。赤ちゃんは元気だけど「Back Labor」(赤ちゃんがお腹の方を向いている)だとのこと。これが腰痛の原因。臨月に入ってから赤ちゃんの向きが悪くなったのが結局この時まで直らなかった。それにしてもすごく痛い。

 続いて内診を受けると、「あら、千恵さん、9cmよ」と先生。「自然分娩で産める?」と聞くと「産めるわよ〜。」と。やった!

 先生にお風呂に入るかと聞かれるが、そんな気にはなれず、ベッドで横になりながら陣痛逃し。この頃、のぶこさんが祥子先生からの「100人目ベイビーが生まれるよ」コールで駆けつけてくれ、ドゥーラ役を務めてくれる。先生の知り合いの看護婦さんも遊びに来てくれてソファでお祝いの帽子を赤ちゃんのために編んでくれている。主人、祥子先生、のぶこさん、先生のお友達、それに私。元々はひっそり産みたいと思っていたのにいつの間にやら賑やかな部屋に。お産はもっと張り詰めたものだと思っていたのに笑い声のある和やかな雰囲気。陣痛はつらいけど、痛みと痛みの間は余裕もあるし、なんだか楽しい。私は陣痛で苦しんでいるのにクラシック好きの主人と先生は部屋でかけている音楽をああでもないこうでもないと選んでいたりしている。部屋の中はあまりに穏やかで外の世界とは違う時間が流れているような不思議な感じ。

 さて、肝心の私のお産。ベッドで1時間ほど過ごした後、先生が私の陣痛はそこまで強くないので重力もお産に使ったほうがいいと判断。高さを上げたベッドの横に立ち足を広げ、上体をベッドにうつ伏せる体勢をとり、いきむ。そして、相変わらず痛い腰を祥子先生とのぶこさんがDouble Hip Squeezeという方法でお尻を両手で力いっぱい挟んでくれる。これが本当によく効く。私のお産の痛みはこれにとても救われたように思う。そして、持ってきたYoga Ballに乗って主人に支えられていきんだりしていると破水。さらに、いきんでいる間に赤ちゃんも体の向きを正しい方向にクルッと変えてくれた。

 病院に着いてから3時間程した頃には全開に。陣痛のたびにがんばっていきんではいるが、なかなか生まれない。でも一時間ほどすると、子宮口を広げる赤ちゃんの頭を感じた。痛みもあるけど、比較的冷静で「うわ〜、会陰切れるかなあ。怖いな。」なんて考えている。そして、いよいよ赤ちゃんが出てくる!

 10171725分。先生に導かれるままにいきんでいると「はい、もういきまなくていいよ。ゆっくり息して。」と言われ、赤ちゃんがゆっくりヌ〜っと出てくる。そして「オギャー」と元気な産声。長男・凪の誕生。

 生まれたばかりの凪はあたたかく、両手両足を縮めたまま目をぎゅっと閉じ、泣いている。性別を聞いていなかった私たちは抱いて初めて男の子だと知った。そして、先生に臍の緒を切ってもらい、お風呂に入れてもらっている凪を見ながらなんともいえない幸せな達成感を感じた。

 …と、本当はここでめでたしめでたしなんだけれど、私はお産のいろいろも一通り済み、先生も帰られた後、一人でトイレに行くときに気絶し、看護婦さん数人にベッドに運ばれる羽目になってしまう。軽い脱水症状だったと思う。思えば、軽い陣痛が始まった前日の昼過ぎから何も飲み食いしていない…。祥子先生との電話でたくさん水を飲むことを条件に点滴は見送ってもらう。いくらワクワクしていても飲んだり食べたりするべきだった…!!その後はしっかり食事はとり、次の日の夕方に無事みんなで退院。

以上が私のお産です。書きたいことが山ほどあり、まとまっていない割に長い体験記になってしまい、すみません。

私は、自分のお産を通してお産のすばらしさ、楽しさを知りました。主人のほかにも、祥子先生はもちろん、のぶこさんがそばにいてくれたおかげで私たちの部屋はとても明るく、ずっと穏やかでした。痛みも先生とのぶこさんが代わる代わる励ましてくれたり、マッサージをしてくれたり、呼吸を一緒にしてくれたおかげでずっと楽に乗り越えることができたと思います。この経験から私も少しでも多くの人に居心地のいい、心に残るお産をしてほしい、そのお産の手伝いをしたい、という思いからドゥーラの勉強をすることになったのですが、ドゥーラに興味がおありの方は是非ドゥーラの人と一度会ってみてください。ひょっとしたらすばらしいお産のお手伝いをしてくれる人に出会えるかもしれません。

最後になりましたが、祥子先生、のぶこさん、本当にありがとうございました。とても幸せな経験ができました。子育てに追われ、ついイライラしてしまうときもあるけれど、そんなときには,いつもこのお産が私を優しくしてくれます。絶対に一生忘れません。

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