新しい避妊法のいろいろ
(この項は3月15日と22日にジャングルシティとの共催で行われた講習会の内容をまとめたものです)
最近許可された避妊法
ピル以外の避妊法で最近発売になって日本で認可になっていないものに、次の3種類があります。
- Mirena 2001年発売
太田リングのように子宮の中に挿入する避妊具です。一旦入れたら、5年間有効です。
- Evra 2001年発売
サロンパスのように皮膚に貼るパッチです。一週間ごとに2回貼りかえ、3枚目をはがしたら一週間休みです。
- NuvaRing 2002年発売
タンポンのように膣内に挿入するタイプです。一ヶ月有効です。
その他の避妊法
ここでは全部説明しませんが、この他にこんな避妊法がアメリカでは一般に使われています。
- 避妊ピル
- ホルモン注射
- コンドーム
- 避妊手術
- ペッサリー、キャップ
- ノープラント
ピルの復習
避妊ピルには大きくわけて3種類があります。
- 低容量避妊ピル
- ミニピル (プロジェスティン避妊ピル)
- 緊急事後ピル
低容量避妊ピルの飲み方の復習
- 最初は、生理が開始してから一週間以内に飲み始めます。
- 21日間、毎日一錠ホルモンピルを飲みます。
- その後の7日分は偽薬で、ホルモンは入っていません。
- 偽薬を飲んでいる間に生理が来ます。
- 偽薬を飲み終わったら、次の箱を開けて1日目の分から飲み始めます。
ピルの不便な点
- 毎日飲み忘れのないよう飲まなければなりません。
- 飲んでから数時間後にホルモン量が高くなり、次のピルを飲むころには低くなるという大きな変動があります。その結果、一番低いところで排卵がおこらないような量に調整してあるので、ピークの時には必要以上に体内に流れるホルモン量が多いという結果になります。
- ピルは口から飲んで胃で消化され、腸で吸収されて、肝臓で一旦代謝されてから血中にいきわたります。人によって消化・吸収に差があっても血中に充分な量が入るようホルモンが多めに作ってあります。
パッチ (オーソ・エブラ) Ortho Evra
- 始めるときは、生理が来たら5日以内にパッチを貼る (初回だけ、最初の週はコンドームを併用)。
- 3週間繰り返し、4週間目は何も貼らない。
- パッチ無しの週に生理がおこる。
- はがしてから一週間目に次のパッチを貼る。
膣内ホルモンリング(ニュバリング) NuvaRing
- 生理の開始から5日以内にリングを膣内に入れます。
- 入れ方は、ちょうどタンポンを入れるように自分で挿入します。
- この方法を始めて使ったときは、最初の週はコンドームを併用して避妊効果が出るまで待ちます。
- 原則的には、このリングは3週間膣内に入れたままにし、4週目にはずします。
- リング無しの週に生理が来ます。
- 生理中でも終わっていても、リングをはずした一週間後に新しいリングを挿入します。
エブラとニュバリングの利点
- 一ヶ月に一回、あるいは、一週間に一回の交換ですむので、毎日飲まなければならないピルと比べ、使い忘れがずっと少ないという長所があります。
- 薬としての避妊効果が同じでも、使い忘れによる妊娠率が少ないので、実質的には効果がより高いことになります。
- 消化・吸収の過程を使わず、直接血液に吸収されるルートを使うので、ホルモン量が少なくてすむので、長期的な副作用は少なくてすむと考えられます。
- ホルモン量が一定のレベルを保つので排卵が起こる可能性が低く、間違って妊娠する確率は低いと考えられます。
ミレナ(Mirena マイリーナ)
- ホルモン(プロジェスティン)を含ませた小さなT字型の子宮内避妊具です。
- これは、婦人科外来で挿入してもらわなければなりません。
- 一度挿入したら、5年間有効です。もし、それ以前に妊娠したくなれば、クリニックに行って抜いてもらえばその直後から妊娠可能です。
- 避妊手術と同じぐらいの確実な避妊効果があります。
失敗率の比較 100人・一年間
完璧に使った場合が低い値で、一般的な使い忘れなどを考慮すると、右側のもっと高い失敗率になります。パッチ、ニュバリングなどは使い忘れる可能性が非常に低いので、現実的には飲み忘れの多いピルと比べて見劣りのしない効果があると考えられます。
| コンドーム |
3-14人 |
| 低容量ピル |
0.1 - 5人 |
| パッチ |
1-5人 |
| ニュバリング |
1-5人 |
| ミレナ |
0.08 - 2.5人 |
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値段
ピル、パッチなどは値段にかなりの差があります。いくつかの薬局に電話して、いくらで売っているのか聞いてみると良いでしょう。また、保険会社によっては、通信販売の会社に処方箋を送って安く買うようなしくみになっている場合もあります。
- ピル 一ヶ月 15から40ドル
- パッチ 一ヶ月 30から40ドル
- ニュバリング 一ヶ月 30から45ドル
- ミレナ 375ドルから400ドル (これは、一度に使うお金は高いのですが、もし、5年使ったとして、60ヶ月で割り算すると一ヶ月あたり6ドル25セントから6ドル70セントと、かなり割安になります。)
診察の必要性
- ピル、パッチ、ニュバリングなどを手に入れるためには、普通は診察を受け、ホルモンを使ってはいけないような病気がないことを確かめてから、医師、ナースプラクティショナー、看護助産婦などから処方箋をもらい、薬局に行って購入します。
- 女性の性病は症状がないことが多い、子宮頸ガンが若い人の間に増えているなどの理由で、できればこれを機に診察を受けた方が良いと私は考えます。
保険の適用
- 一般的なアメリカの健康保険は、ほとんどの場合、定期健診などの予防的な診療について保険で支払ってくれます。ワシントン州の場合、避妊もカバーすることが多いので自分の保険会社からもらった説明書を良く読んでみてください。あるいは、カスタマーサービスの番号に電話して聞いてみてください。
- 旅行保険や学生保険のほとんどは、病気や怪我をしたときのための保険なので、ピルの処方のためのなど、病気予防に関する検診には保険が支払われないのが普通です。自費だと診察費と検査費に100ドルから250ドルぐらいかかります。
- シアトルクリニック、フェデラルウェイなどのプランドペアレントフッドでは、寄付金や政府の援助で成り立っていて、収入の無い人には安く診察をする場合もあります。
シアトルでの実験
- 現在、診察無しでピル、ニュバリング、エブラが買える実験がシアトルで進行中です。
- 参加薬局(カークランド、ブロードウェイ、コビントン、ピュヤラップのフレッドマイヤー)で予約を取り、質問紙に回答を書いて、条件に合うと認められた場合には、25ドル払うと3ヶ月ぶんだけ避妊薬を購入できます。
- その後も同じように質問だけでピルを購入しつづければ、一年間に100ドルの相談料がかかり、診察を受けるのと、費用の点ではあまりかわりがありません。
診察の必要性 - ミレナの場合
- 婦人科外来で挿入してもらう必要があります。
- 挿入の前に一度検診を受けて、子宮ガンと性病のないことを確かめてもらいます。
- 生理痛のような痛みが挿入時にあることが多いので、タイレノールなどの痛み止めを当日飲みます。
避妊法の選び方
- 婦人科外来で挿入してもらう必要があります。
- 挿入の前に一度検診を受けて、子宮ガンと性病のないことを確かめてもらいます。
- 生理痛のような痛みが挿入時にあることが多いので、タイレノールなどの痛み止めを当日飲みます。
具体的な例をあげてみました。こうした例を参考にして、検診を受けたときに相談して、自分に適切な方法を選んでください。
| 妊娠は絶対避けたい、避妊法を使っていることを知られたくない、まだ子供は当分いらない、ホルモンにはこだわらない、という場合 |
避妊注射 |
| これから2−3年は妊娠したくない、子供がいる、ホルモンは避けたい、という場合 |
銅の子宮内リング |
| 授乳をしている、次の妊娠との間をあけたいが、もし、間違って妊娠してもそれほど困らない、という場合 |
ミニピル |
| 帝王切開で子供を産んだ、次の妊娠との間を1年から2年あけたい、授乳中という場合 |
ミレナ |
| 生活が不規則でピルをキチンと飲めない、いつセックスするか予想がつかない、結婚前なので妊娠は困る、絆創膏にかぶれる、という場合 |
ニュバリング |
| ピルは飲み忘れが多い、アメリカ人のボーイフレンドなので、コンドームをつけたがらない、特に皮膚はかぶれない、という場合 |
パッチ |
| 結婚しているが、まだ妊娠は避けたい、タバコをすっている、という場合 |
ミニピル |
| 身体に物を入れたり、ホルモンを使うことには抵抗がある、できるだけ自然に避妊したい、生理は順調に毎月来る、という場合 |
身体のリズムを知る方法 |
| 婦人科に行きたくない、ホルモンは怖い、妊娠したら中絶すれば良い、ボーイフレンドは協力してくれる、という場合 |
コンドーム |
| 子供が2人いて、もう妊娠する気はない、夫がパイプカットすると浮気が心配、という場合 |
エシュア |
| 生理の度に偏頭痛になる(あるいは、いらいらする、生理痛がひどい、子宮内膜症がある、など)、避妊はしておきたい、ホルモンはかまわない、という場合 |
低用量ピル、パッチ、ニュバリングを3ヶ月から6ヶ月切れ目無しに使う シーズネル(新しいピル・3ヶ月に一回生理) |
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