ミニピル
ミニピルという種類の避妊用ピルには次のような特性があります。
普通の経口避妊薬のピルはコンビネーションピルと言って、エストロジェンとプロジェスティンという2種類のホルモンが配合されています。(普通の低容量経口避妊薬についてはこちらをご覧ください)。ミニピルにはプロジェスティンだけが含まれていて、エストロジェンは入っていません。ミニピルはどんな場合に使うかというと、避妊は必要だけれど、エストロジェンは使えないという次のような場合です。
| 煙草: |
ピルの説明の稿に書きましたように、煙草を吸う人はエストロジェンを使うと血栓症が多くなるので、エストロジェンを含まない、ミニピルの方が適しています。特に一日に15本以上煙草を吸う人にとっては普通のピルは危険です。また、年齢と共に血栓症の可能性は増えるので、35才を過ぎて少しでも煙草を吸うようならエストロジェンは避けたほうが良いでしょう。もちろん煙草はその他の健康上の害が数多く有るので、ピルが必要になったらそれをきっかけに止める努力をするのが一番です。
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| 授乳中: |
母乳を与えている人は母乳の量が減るため、普通のピルは避けた方が良いといわれています。ミニピルは母乳の量に影響がなく、また全体としてホルモン量が少ないので、授乳中に与えても良いピルと考えられています。医療従事者の中には、それほどエストロジェンに神経質になる必要はないという意見の人もいて、6ヵ月ぐらいになって離乳食を始めると同時にミニピルから普通のピルに買えたり、あるいはもっと早く、6週間ぐらいからいきなり普通のピルを始める人もいます。一般的には断乳がすむまでミニピルを使い、その後で普通のピルに切り替えるというパターンが多いようです。
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| 血栓症: |
以前に血栓ができたことのある人や、家族に血栓のできやすい人が多い場合などはエストロジェンを避けた方が安全です。そういう人にはミニピルが適しています。
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| 高血圧: |
エストロジェンは少し血圧を上げる効果があることがわかっています。普通の血圧の人にはこれはほとんど関係ありませんが、もともと高血圧のある人はエストロジェンの入っていないミニピルを利用した方が安全です。血圧が140/90以上の人はエストロジェンの入ったピルは避けた方が良でしょう。
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| 偏頭痛: |
頭痛持ちの人は案外多いものですが、その中でも偏頭痛で視力に影響のあるものはエストロジェンと相性が悪いのです。頭痛の前に目がかすむ、目の前にカラーの幾何模様が見える、頭痛が始まると目の前が暗くなる、頭痛が始まると言葉がもつれるなどの症状のある場合は、エストロジェンの入ったピルを飲むと脳卒中を起こす場合があります。これもミニピルならその心配がありません。
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効果のメカニズム
ミニピルは普通のピルと違って、排卵を防ぐわけではないのです。人によっては排卵が起こらなくなる人もいますが、大概は月によって排卵があったりなかったりしているのです。では、どうして避妊ができるかというと、子宮の入り口の頚管というところの分泌液を濃くし、精子がそこを通過できなくしてしまうのです。また、子宮の内膜が厚く育つのを防ぎ、もし、万が一、受精卵が子宮の中にやってきても、着床できないのです。
飲み方
普通のピルは21日分のホルモンがあって、7日分の擬薬があるのが普通ですが、ミニピルは毎日同じ量のホルモンを休みなく飲み続けます。生理は自然の排卵によって左右されるので、定期的に生理の来る人もあれば、まったく生理がなくなってしまう人もあります。不定期に少量の出血がある場合もあります。一般的に出血量は減るのが普通なので、貧血の強い人は助かります。ミニピルの効果は短く、25時間で無くなってしまいます。したがって、毎日決まった時間に飲むことが重要です。一時間以上、飲むのが遅れると効果がなくなってしまうのです。子宮頚管の粘液が濃くなるのは、ミニピルを飲んで4-5時間後なので、夜セックスをする習慣の人は夕食のころに飲むと必要なころに丁度効果が一番高くなります。理論的には普通のピルよりもいくらか避妊効果が低いといわれていますが、現実に使っている人の状況を考え合わせて総合的に判断すると、普通のピルと同じ程度の避妊効果があります。
副作用
ミニピルの副作用で一番気をつけたいのはエストロジェンの不足です。エストロジェンには骨のカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きがあるのですが、ミニピルを飲んでいる間はエストロジェンが不足するので、その恩恵にあずかれないわけです。特に10代の人は将来に向けて骨を太く強く育てる時期なので、ミニピルを飲み始めたら特に骨の健康に気をつけましょう。カルシウムやコラーゲンをとり、運動をすることによって骨を育てて将来の骨そしょう症を防ぎましょう。
もう一つ、ミニピルの副作用として時々聞くのは抑欝症の悪化です。普通の人はミニピルを飲んだからといって別に影響はないのですが、もともと気が沈み、欝になった経験のある人はミニピルを飲むとひどくなる場合がまれにあります。逆にミニピルを飲むことで軽くなる人もいるのですが、一応、処方してくれる人に相談して、症状の悪化に注意しましょう。
処方
ミニピルの処方を受けるためには、まず女性のための定期検診を受けて健康に異常のないことをたしかめます。銘柄としては、マイクロノア(Micronor)、ノアキュウディー(Nor-QD)、オブレット(Ovrette)などがあります。一ヵ月分20ドルから30ドル前後のことが多いようです。ほとんどの薬局でミニピルを扱っています。
(この稿は「なでしこ健康講座」としてJunglecity.comに2000年11月に書いたものを一部追記して転載したものです。)
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